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【LGBTとは】世界のLGBT問題と差別【平和学講義に学ぶ】

本稿では「世界のLGBT問題と差別」というテーマで考察していきます。
(某大学で「平和学講義」を受講した際の予備知識をもとにまとめています。)

LGBTについては古くから議論が為されており、近年さらに活性化されているようです。LGBTというマイノリティに対してマジョリティ側が理解を示すようになったのも最近であり、歴史的には根強く差別・淘汰の対象になっていました。

そして、平和学講義で「差別」というテーマとともに「同性カップル」が取り上げられました。また、私が大学に入学してから「自分はLGBTです」という旨のカミングアウトを頻繁に耳にするようになり、存在していたにもかかわらずそれまで聞いたことがなかったのは、集団意識の強い高校までの環境ではやはり「差別」を恐れていたからだと思います。

このように「LGBTに対する差別」は今まで気づかなかっただけで非常に身近な問題であり、かつ世界規模で問題視されている問題です。

 

LGBTとは?その割合は?

 

そもそも「LGBT」とは

 

「Lesbian(レズ 女性同性愛者)」
「Gay(ゲイ 男性同性愛者)」
「Bisexual(バイ 両性愛者)」
「Transgender(トランスジェンダー 性別越境者)」

の頭のスペルを取ったものです。
近年では「LGBTQ」「LGBTs」「LGBT+」など、LGBT以外の数多あるセクシュアルマイノリティを包含した単語も使われ始めています。

また、日本人のLGBTの割合は、電通ダイバーシティラボの調査によると「8.9%(2018年調査)」。ちなみに2013年は5.2%、2015年7.6%と増加傾向にあるようです。その理由は、多様性が理解されやすくなり、カミングアウトをしやすい社会になりつつあることと、LGBTという単語が普及し、自らの性に対する理解が進んだことが考えられます。

アメリカのLGBTの割合は、Gallup社の調査によると「4.5%(2017年)」。年度が違うとはいえ日本の約半分です。

もしかしたら純粋に少ないのかもしれませんが、個人的には平和学講義のテーマでもあった人種差別や過去のゲイ解放運動などによる迫害文化への恐怖がまだ残っており、カミングアウトしづらい心理にあるのではないかと思います。

 

なぜ差別が起こるのか

 

法務省のサイトに公開されているデータによると、学校や職場で差別的発言を聞いたことのある当事者は「71.7%(2016年調べ)」となっています。学校や職場に限定してもこの割合なので、SNSやその他の場所なども含めるとほとんどの方が差別的発言を聞いたことがあるのではないでしょうか。

平和学の講義では差別の原因を、マイノリティとしてカテゴライズされた集団にマジョリティが一方的にスティグマ化してしまう故に生じることを理解しました。

それを踏まえてLGBTへの差別意識を考えてみると、「異性を好きになる」という人たちがマジョリティであり、それ以外を嫌悪するような人たちがマジョリティ内に一定数存在するためLGBTをスティグマ化するのだと推測します。嫌悪の理由としては、生物は種族保存のために異性を好きになるものという生物学的観念だったり、あるいは純粋に気持ち悪いというようなネガティブな感情でしょう。

どのカテゴリーにおいても現実を晒すのではなくマイナスなレッテルをただ貼り続けたいだけの人は存在するので、講義内の言葉を借りるなら「無批判的な受容」がやはり大切になってくることがわかります。

 

世界のLGBT問題

 

世界のLGBTについて参考文献の資料をもとに考察していきます。

 

①アメリカ

 

LGBTの社会運動となったとされるのが、1969年にニューヨークで起きた『ストーンウォール事件』。人気だったアーティストの追悼式がストーンウォールインというゲイバーで開かれている途中で、ソドミー法(同性間の性交渉を禁止する法律)に則り警察官が捜査に乗り込み、暴動が起きた事件です。

2002年に全ての州でソドミー法は撤廃されますが、それまでにエイズとゲイの関係性が発覚するなど山あり谷あり。オバマ元大統領が同性婚を認める旨を声明し、それにAppleやMicrosoft、Google、Facebookなどの超大手企業、レディーガガやマドンナ、ジョージクルーニー、ブラットピットなどの超有名人が賛同していることからも鑑みて、時間がかかったとはいえ着実にLGBTは市民権を獲得していったようです。

現在では、ニューヨーク州が『ストーンウォール事件』は差別に基づいたものだったと認めたこともあり、世界のトップであるアメリカがLGBTを許容した姿勢を示したことで、今後は一般人と同じような立場になるくらいの前進が見込めるはずです。

 

②中国

 

中国では2001年まで同性愛を「精神疾患」として扱っていました。

そのため、電気ショックなどを用いて治療しようとしていたようです。当然LGBTは病気ではありません。現在でもそのような療法を提供しているクリニックは存在しており、2014年に北京の裁判所においてそのような療法を行ったクリニックに同性愛者が勝訴したという判例があります。

また、儒教的な教えもあり、子孫を残せない同性愛者への差別は未だ根強く残っているそうです。

そのためカミングアウト率も低く、同性愛者の多くが異性愛者と結婚をしています。恋愛感情を抱けない人と無理にでも結婚しようとするのは、血縁を重んじる儒教文化によって、男性であるならば家系を繋がなければならないというプレッシャーがあるからだと考えられます。

LGBT問題に限らず、宗教が絡むと何事も解決が滞ってしまうのは致し方ないもかもしれません。

 

LGBTが生きやすくなるには

LGBTたちが出来ること

 

LGBTたち自身ができることは、アメリカの事例を見るに地道な抗議を続けることで社会的な信頼を勝ち取り、認められるかつ守ってもらえる法整備に繋げることだと思います。

また、平和学の講義では差別を「あてはめるカテゴリーには圧倒的なマイナスの意味が充満しており、それをあてはめる他者や他者が生きる現実を映し出すのではなく、さまざまにマイナスなかたちでしるし続ける。」と説明されていることから、当事者の生活や感情をよりリアルに発信することも効果的だと思います。もちろん顔出しで行った方が有効的でしょうがSNS時代の現代では匿名で発信することも可能なので、その数が増えれば増えるほど重要視され始めるのではないでしょうか。

以前までは芸能人が発信することでLGBTに対する意識改革が行われていましたが、現在ではインフルエンサーと呼ばれる一般人の影響力を持った人もたくさんいます。

そういった人たちの理解が得られればより拡散されるはずです。実際に中国のYouTuberがそのような発信をして話題になっていました。

 

非LGBTたちが出来ること

 

対して非LGBTたちができることは、先ほども引用しましたが「無批判的な受容」でしょう。これは個人的な経験からですが、差別する人たちほど声が大きく発信力もある気がします。

そういった意見に簡単に惑わされるのではなく、まず受け入れる姿勢を取ることが大切ですし、その上で非LGBTがLGBTを擁護する立場を取れれば社会的に非常に強い立場を持つことになり、その層を取り込もうとする政治家が現れて法整備に発展していくというのが私の考えです。

短絡的な思考だったかもしれませんが、非LGBTは当事者ではないので、LGBTたちの主張をサポートする立ち位置になると思います。

 

まとめ

 

LGBTへの差別は2000年以前は顕著に行われていましたが、それ以降は受容する流れになり始めました。同性婚を認める国も増え続けており、我らが日本もそれに続いて着々と前進しているようです。しかし、まだまだ差別文化が根強く残っている国々も多く、それには宗教的な問題が足かせになっている場合もあります。

新しい世代が、新しい技術(SNS)で、新しい考え方を普及できれば宗教や差別主義にも負けないLGBTの生きやすい世の中に変わっていくと思います。もちろんそこに「無批判的な受容」が不可欠で、そこから法に結びつけるのが目的です。

LGBTの割合は年々増えているので、実際にはどれくらいの方がいるのかはわかりませんが、全てのLGBTの方が引目を感じずに堂々と自己主張できる時代が来ることを願っています。

 

参考文献・参考サイト

・電通公式ホームページhttps://www.dentsu.co.jp/news/release/2019/0110-009728.html

・Gallup社公式サイト(https://news.gallup.com/poll/234863/estimate-lgbt-population-rises.aspx

・法務省公式サイト(http://www.moj.go.jp/JINKEN/LGBT/index.html

・平和学 講義資料

・フレデリック・マルテル『現地レポート 世界のLGBT事情 ー変わりつつある人権と文化の地政学』岩波書店、2016 年

・同性婚人権救済弁護団 編著『同性婚 誰もが自由に結婚する権利』明石書店、2016年

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まさくまさん

まさくまさん

人間のあらゆる「悩み」について考察しているクマさん。 大体の悩みは「人間関係」だと理解し、義務教育では何故か教わらなかったこの教科をメインに「まさくまさんの学校」を開校。 Twitterは4ヶ月で1万人フォロワー突破。 中高生向け動画アプリTikTokも4カ月で1万人突破。

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